20 March 2023

実証プログラム進行中のプラズマ研磨技術

オックスフォード・インストゥルメンツ、2023年のプラズマ研磨装置生産拡大に向け、実証プログラムを加速中

SiC (シリコンカーバイド) 結晶の品質が重要な歩留まり制限要因となる複数の生産プロセスにおいて、SiC 基板表面の改善と表面下のダメージの低減に、オックスフォード・インストゥルメンツのプラズマ研磨技術が、大きな効果をもって適用できることが確認されています。現在、複数の大手メーカーとの集中的な実証プロジェクトが進行中です。2022 年 9 月にダボス (スイス) で開催された SiC および関連材料に関する国際会議 ICSCRM/ECSCRM においてオックスフォード・インストゥルメンツが発表した 200 mm ウェハ対応のSiC 基板研磨技術は、高電圧デバイスの要件を満たすために、ブール成長、エピ前後、エピ層間など SiC デバイス製造サプライチェーンのいくつかのポイントでコマーシャルパートナーとともに実証実験が行われています。さらに、プラズマ研磨の再現性とダメージ軽減の利点は、米国、欧州、アジアの 12 社のサプライヤーで実証されており、このプロセスはあらゆる SiC 材料に有効なソリューションであることが証明されています。

主要な SiC デバイスおよび基板メーカー数社から認定を受けているソリューション

この技術の検証により、パワーデバイスの歩留まりの最大化を目指した、表面および表面下のダメージ低減の最先端技術が実証されました。技術的な利点に加え、プラズマ研磨により、サプライチェーンにおける各段階で SiC 基板の研磨コストを削減し、同時に環境への影響を低減することが可能になります。CMP (化学的機械研磨) に代わるアプローチとして、プラズマ研磨法は、高歩留まりで費用対効果の高いパワーデバイスの製造に適しており、SiC 普及の重要な課題の解決に貢献することができます。

オックスフォード・インストゥルメンツには、SiC サプライチェーン全体の主要顧客からプラズマ研磨に大きな関心が寄せられ、複数の企業との認定が進んでいるほか、プラズマ研磨モジュールの生産も強化しています。当社プラズマテクノロジーの Bas Derksema (グローバル・セールス&マーケティング・ディレクター) は次のようにコメントしています。

wafer

「これまでのお客様との関わりは大変すばらしく、SiC の普及を妨げる現在そして将来の技術的課題を解決するためにプラズマ研磨がもたらすメリットを引き続き確認しています。GaN と SiC はいずれも、オックスフォード・インストゥルメンツにとって、ワイドギャップパワー半導体分野における成長計画の鍵であり、我々は、顧客の現在そして将来の課題に対応した生産ソリューションと非常にエキサイティングな最先端の開発プロセスを有しています」

「今後12ヶ月以内に稼働する私たちの新しい Severn Beach の生産・研究施設では、アプリケーションラボを 2 倍に拡張することにより生産能力を 50% 以上増加させ、最先端で革新的なソリューションの開発を継続します。そして、市場の需要の高まりに対応するために生産能力を増強することが可能になります」

オックスフォード・インストゥルメンツは、フロリダ州オーランドで開催される APEC 2023(Applied Power Electronics Conference)に参加しています。これは、実用的で応用的なパワーエレクトロニクスに関する主要な年次会議です。当日は、オックスフォード・インストゥルメンツの SiC および GaN 基板前処理、表面改質、フィーチャーエッチング、ALE、ALDおよび Etchpoint™プロセスソリューションにより、1日あたりどれほど多くの高品質ウェハを低コストで生成することができるかについて説明する予定です。

本プレスリリースは、イギリス時間3月20日に発表した『Qualification Programmes for Plasma Polish』の抄訳です。