Feb. 28, 2023

バッテリー研究の最前線で活躍するラマン顕微鏡

WITec (ビーテック) 、ドイツ・ウルム市の太陽エネルギー・水素研究センターにalpha300 Rを導入

市販のラマンイメージングシステムの草分けであるWITec GmbHは、バーデン=ヴュルテンベルク州太陽エネルギー・水素研究センター (ZSW, Center for Solar Energy and Hydrogen Research) に新しい装置を納入しました。このラマン顕微鏡は、ウルム市にあるパイロットプラント "Powder-Up!" で使用され、リチウムイオン電池用正極材料の製造や製造方法の拡張性が調査されます。

ウルム市にあるZSWのFlorian Klein氏(左)とLeon Gläser氏(右)は、WITecアプリケーションサイエンティストのIevgeniia Iermak博士(中央)と共に、新しいラマン顕微鏡のトレーニングを受けています。
ウルム市にあるZSWのFlorian Klein氏(左)とLeon Gläser氏(右)は、WITecアプリケーションサイエンティストのIevgeniia Iermak博士(中央)と共に、新しいラマン顕微鏡のトレーニングを受けています。

リチウムイオン電池は、電動モビリティへの移行を可能にする主要な技術であり、その性能は、使用される材料によってほぼ決定されます。ZSWは、革新的なエネルギー貯蔵開発の最前線にあり、今後12カ月間でパイロットプラント "Powder-Up!"用の新棟を建設予定です。この新しい施設では、次世代バッテリーの電極材料の改良と、製造プロセスのスケールアップに焦点を当てます。この取り組みは、電池の性能、資源利用、単価の面で広範囲に効果をもたらすと期待されています。

蓄電材料研究部門の責任者であるMargret Wohlfahrt-Mehrens博士は、「ラマン顕微鏡は、応用電池研究の標準的な手法になりつつあります。さまざまな電極配合がどのように機能し、充電サイクルでどのように劣化するかについての詳細な情報が素早く得られます」と述べています。

WITec GmbHは、ラマンイメージングシステムの高い化学的感度、空間分解能、取得速度が評価され、ヨーロッパ全体の公開入札を勝ち取りました。alpha300 R顕微鏡は、電気化学セルなどのハードウェアを統合できるモジュール性と、工業的に必要な量のデータを収集するための高いサンプルスループットという利点を備えています。

バーデン=ヴュルテンベルク州の革新的な強みを反映し、WITec本社とZSWの施設は、ウルム市を見下ろす同じ丘の上にあります。WITecのマーケティング・ディレクターであるHarald Fischerは、「この地域が、ドイツのグリーン革命支援の中心地であることがよくわかります。この顕微鏡は、この地で設計・製造され、近隣に納入されたもので、今日の最も重要な技術の1つをさらに発展させるでしょう」と述べています。

バーデン=ヴュルテンベルク州経済労働観光省およびドイツ連邦教育研究省 (BMBF) が出資する施設である “Powder-Up!” は、この種の施設としてはヨーロッパ初となります。新プラントでは、最大100キログラムの材料バッチを生産することができ、この規模の量は、電気自動車や定置型エネルギー貯蔵ユニット用の大型バッテリーセルの製造に必要です。

WITec(ビーテック)について

WITec は、3D ラマンイメージングと相関顕微鏡のパイオニアであり、スピード、感度、分解能に妥協のない製品ラインナップで、業界をリードし続けています。ラマン顕微鏡、AFM 顕微鏡、SNOM 顕微鏡、およびビーテックが開発した Raman-SEM(RISE)装置は、拡張可能なモジュール式のハードウェアおよびソフトウェアにより、化学および構造特性評価において特定の課題に合わせてカスタマイズすることが可能となっています。研究、開発、生産はドイツ・ウルム市のビーテック本社(WITec GmbH)で行われており、ビーテック製品の販売・サポートネットワークは世界のあらゆる地域で確立されています。2021年9月、ビーテックはオックスフォード・インストゥルメンツ・グループの一員となり、ラマン顕微鏡の技術的リーダーシップをその幅広い事業ポートフォリオに取り込みました。

ZSWについて

バーデン=ヴュルテンベルク太陽エネルギー・水素研究センター (ZSW, Center for Solar Energy and Hydrogen Research Baden-Württemberg) は、水素、太陽光発電、再生可能燃料、バッテリー技術、燃料電池およびエネルギーシステム分析の分野で応用研究を行う主要な研究機関の一つです。現在、シュトゥットガルト、ウルム、ヴィダーシュタルの3つのZSW拠点で、約330名の科学者、エンジニア、技術者が雇用されています。さらに、100名の研究員や学生アシスタントが所属しています。ZSWは、12の大学以外の応用研究機関のグループであるinnBW (Innovationsallianz Baden-Württemberg) のメンバーです。

本記事に関するお問い合わせ先

オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社
ビーテック事業部

〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町12-20
Tel: 03-4332-2138 Email
URL:https://raman.oxinst.jp


WITec GmbH
Lise-Meitner-Str. 6
89081 Ulm, Germany
Tel.: +49 731 140 70 0
Fax: +49 731 140 70-200
E-Mail: press@WITec.de
https://Raman.oxinst.com

Center for Solar Energy and Hydrogen Research Baden-Württemberg (ZSW)
Tiziana Bosa
Press and public relations
Helmholtzstraße 8
89081 Ulm, Germany
Tel: +49 731 9530-0
Fax: +49 731 9530-666
E-Mail: tiziana.bosa@zsw-bw.de
www.zsw-bw.de

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Florian Klein (left) and Leon Gläser (right) from the ZSW in Ulm together with WITec Application Scientist Dr. Ievgeniia Iermak (middle) during training on the new Raman microscope.